文化人類学の論文英語翻訳は異境体験
私は人文科学 ・ 社会科学系の論文翻訳 ( 和英翻訳 ) を中心にしている翻訳者です。これまでに英語翻訳した中でも、特に面白く、また少し変わった趣向の論文は、文化人類学に関するものでした。この分野は、世界中の様々な社会 ・ 文化 ・ 経済 ・ 宗教をはじめとする側面について、異なった民族の生活実態を比較検証する学問だけに、聞きなれない言葉が次から次へと登場する異境体験とも言うべき、ちょっと変わった論文翻訳の世界を垣間見る瞬間でした。文化人類学という分野を専門的に学んでいる、または専門的に学んだことのある翻訳者は少ないだろうと想像します。私自身、この分野の専門家ではないだけに、その論文翻訳はとても新鮮で珍しい体験でした。
まず聞きなれない言葉としては、この分野だけで使われる特殊用語があります。例えば、「 参与的観察 」や「 本質主義 」、「 構築主義 」、「 構造主義 」、「 象徴的相互作用論 」、「 肘掛け椅子の人類学者 」といったものがあります。これらの語の英訳はそれぞれ、participant observation、essentialism、constructionism、structuralism、symbolic interactionism、armchair anthropologist といった表現になります。また、父系出自( patrilineal descent )や母系出自( matrilineal descent )といった表現など、日本の天皇制の継承システムについて語るようなときにしか登場しない頻度の極めて少ない言葉です。このような専門的な表現を英語翻訳する際には、文化人類学用語に関するサイトを調べたり入門書で確認したりという具合に、ポイントを外さないよう注意しなければなりません。
さらに、この分野の論文翻訳で聞きなれない言葉として最も典型的なのは、固有名詞です。アフリカの聞いたこともないような部族名や地名、儀式の呼び名や呪文などが登場し、それを英語でどういうふうに綴るのかを正確に把握するのはかなりたいへんな作業となります。特に、カタカナの「 ン 」で始まる言葉が出てくるなど日本語ではありえないことだけに、その特殊さは著しいものがあります。ネットの関連サイトを丹念に調べるのはもちろんですが、その際にもスムーズに翻訳先の英語での綴りが見つかるかどうかは微妙であり、試行錯誤とテクニックを要します。ただ、このような特殊な固有名詞に関しては、翻訳依頼者側で用語指定をしてくることや、関連資料を併せて送ってきてくれることもあるので、翻訳依頼者への確認が重要です。もし依頼者側からそういう情報を提示されていない場合には、リサーチしてもどうしても見つからないものに関しては翻訳依頼者に問い合わせることも必要です。実際、私が以前仕事でこの分野の論文翻訳を引き受けたときには、一語だけどうしても見つからない特殊な儀式に関する名称があり、翻訳依頼者に問い合わせて教えてもらったことがあります。
この分野は特殊なだけに、基本的な知識や情報を持っている翻訳者というのは少ないのではないかと思います。私は幸い大学時代に人類学に関する特別講義の授業を履修していたことがあったので、James Frazer や Malinowski、Lévi-Strauss、Ruth Benedict、Margaret Mead といった代表的な人類学者や学説に関する知識があった分、ある程度までは助かりました。ただ、翻訳とは様々な分野に関する知識や情報を常に取り入れて、自分の知的枠組みを広げていくことが極めて重要であり、これからもさらに精進していきたいと考えています。
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論文翻訳以外の分野でも、和英 英和翻訳、多言語翻訳、英文校正、多言語校正などのサービスを提供。ネットスクール形式の英文ライティングトレーニング ( 自由英作文 大学入試 TOEFL対策 ビジネス英文ライティング 英文リーディング&レポートライティング 他 )講座も開講。
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