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和英翻訳、英文編集、英文校正 : 日本語論文の英訳プロセス

アイディアノート
By Manchester
City Library (CC)

前稿 『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 では、英語論文作成における3段階の作業、すなわち英文執筆、英文編集、英文校正について述べました。本稿では、教科書どおりの英語論文作成手順を述べるとともに、日本語ネイティブ翻訳者が英訳した原稿をELSに英文校正依頼する場合との比較も行います。論文の和英翻訳では、英語のネイティブスピーカーが英訳作業を行うこともありますが、通常は日本語ネイティブによる英訳の方が多く見られます。

ジェーン・グドール
By JJ W (CC)
どちらの場合であっても、十分な教育を受け、熟練した執筆者や編集者、校正者が作業を担当するのであれば問題ありません。あらかじめお断りすると、本稿では、十分な教育を受け、豊富な執筆経験を有する英語のネイティブスピーカーを「英語のネイティブ」と簡潔に表現しています。英語のネイティブであることや流暢なバイリンガルであることは単なる第一条件に過ぎません。この条件がクリアされた後、学歴や職歴が問われます。日本語の 「 英文校正 」 を英語で正確に表現しようとするとどのような用語になるのか明言はできませんが、辞書にはproofreading ( プルーフリーディング ) とあります。しかし、ELSが実際に行っている作業は、英文編集とプルーフリーディングを組み合わせたものです。

和英翻訳から英文校正に至るプロセスを明確に説明した学術書を見かけたことはありませんが、このプロセスは和英翻訳、英文編集、英文校正の3段階であると考えています。本稿では、 英語教育についての仮想論文 『 英語教育の未来 』 を再度取り上げ、これを例にとって日本語論文の和英翻訳、英文編集、英文校正について述べます。その前に、日本語での文章作成について、少し考えてみましょう。

日本語と英語の文章作成プロセスは同じではありません。ELSサイトの別ページでも述べていますが、英語圏と日本では、執筆者の責任に対する認識が異なります。この差異は、文化的背景が異なることによってもたらされます。英語ネイティブの書き手は、読み手が容易に理解できるように文章を書くことを期待されます。このため、英語ネイティブの執筆者は通常、英文執筆、英文編集、英文校正のプロセスを踏んで文章を作成します。読み手が理解できなければ、文章がヘタだとみなされます。文章が理解できるかどうかは、書き手に責任があるのです。

アレクサンダー・グラハム・ベル
By Chris
Darling (CC)
一方、日本では事情が異なります。日本では、読み手が文章の意味を汲み取って理解することが要求されます。読み手が文章を理解できるかどうかに関して、書き手の責任がそれほど問われないのです。実際、日本では難解な文章ほどよく書けていると思われがちです。そのような文章を書く人が 「 偉い 」 とみなされることもあります。執筆後、編集、校正までをきちんと行った日本語論文は、英訳する場合にも英訳、英文編集、英文校正が比較的容易に短時間で済み、英語論文の出来映えもすばらしいものとなるでしょう。一方、いわゆる 「 偉い 」 人のやり方で書かれた日本語論文は、英訳、編集、英文校正の作業難度が上がってしまい、よい英語論文に仕上げるには長い時間を必要とします。

したがって、日本語を母国語とする執筆者が日本語で文章を書き、それを英訳する場合は、事前に自分自身で和文原稿の編集や校正をすればいいということになります。この作業を経ることで、和英翻訳論文の最終稿が、執筆者の意図を忠実に反映した仕上がりとなります。

『 英語教育の未来 』 の英訳と、英文編集、英文校正のプロセスは以下の通りです。
  1. 日本語ネイティブの翻訳者が 『 英語教育の未来 』 を英訳する。
  2. 英語ネイティブが 『 英語教育の未来 』 を英文編集する。
  3. 英語ネイティブが 『 英語教育の未来 』 を英文校正する。
本稿は、上記3つの必須プロセスと、日本語ネイティブ翻訳者と英語ネイティブ編集者が行うやり取りについて説明します。このプロセスを意識しておけば、例えばプロジェクトに関する文章や論文を執筆するといったときに役に立つと思います。

翻訳

第1段階 : 日本語ネイティブの翻訳者が、論文を英訳します。翻訳者が論文を読み、必要なことを調べ、翻訳し、必要に応じて英語ネイティブや他の翻訳者に相談するといった作業を繰り返すことができれば申し分ありません。

第2段階 : 理想を言えば、英語ネイティブが英語論文の編集、校正を行います。ここで「理想を言えば」という表現をしているのは、翻訳者が英語のネイティブや他の翻訳者に必要に応じて相談できるとは限らないからです。十分な教育を受け高度な英文ライティング力を有する英語ネイティブが身近にいるとは限りませんし、翻訳者がチームを組んで仕事をしていない場合もあるでしょう。

さらに理想を言えば、一人の翻訳者が論文を翻訳するだけではなく、別の日本語ネイティブ翻訳者が翻訳文をチェックし、原文の意味が正確に翻訳されているかを確認します。この第2の翻訳者は、必要に応じて1番目の翻訳者や英語のネイティブと相談します。このような体制は、翻訳をするにあたって常に最良のアプローチと言えるでしょう。

教科書どおりに論文執筆作業を進めるとすると、『 英語教育の未来 』 の筆者はまず、最初の草案を書きます。現実には、少しずつ英文執筆、英文編集、英文校正を繰り返すかもしれませんが、まずは最初の草案を作成することとします。最初から英文編集や英文校正にあまり多くの時間を費やすのは論理的ではありません。

英語ネイティブによる編集

『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 では、この編集プロセスとリライト ( 書き直し ) が優れた文章を作成するための鍵になると説明しました。本稿でも、あえて同じ説明を繰り返すことにします。「 リライト 」 を別の3語で言い換えるなら、明確さ、力強さ、簡潔さ、になるでしょうか。では、『 英語教育の未来』がこれら3つの目標に合致しているかどうか、見てみましょう。
論文の質を判断する基準は以下のとおりです。
  • 文章の内容は読み手にはっきりと伝わるか?
  • 筆者は考えを明確に述べているか?
  • 読み手に影響を与えるような文章か?
  • 1つの項に1つの考えが述べられているか?
  • 論旨の展開は論理的に行われているか?
  • 各文章・段落中の文法、言葉の選択、時制は適切か?
  • 各文の構文は正確で論理的か?
  • 論文には導入、本文、結論が含まれているか?
  • 参考文献目録は正しく記述されているか?
本
By Charles
Severance (CC)
『 英語教育の未来 』 が 『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 で述べている、英語ネイティブの理想的な文章モデルのように書かれていれば、編集が比較的容易でしょう。 いわゆる「偉い」 人風のアプローチで書かれた論文であれば、編集者は執筆者の意図するところを想像しながら悪戦苦闘しつつ編集しなければなりません。編集者が混乱するようであれば翻訳者も混乱したはずです。これは翻訳者と編集者の能力が足りないからではなく「偉い」人的な書き方に象徴される、日本語文化の特徴に原因があるようです。これでは、たとえ翻訳者と編集者が全力を尽くしても、最良の論文には仕上がりません。 「 偉い 」 人的書き方の論文における表現方法と情報量では、英語圏でよいとみなされる論文を完成させるには不十分だからです。このような理由から、日本語論文の英訳に先立って、『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 での提案に基づいて日本語論文を編集されることをお勧めします。そうすれば、可能な限り良質の英訳論文をお届けできるでしょう。

英文校正

『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 で述べたように、最後に英文校正を行います。『 英語教育の未来 』が 『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 で述べたプロセスに従って作成されていれば、編集段階をスムーズに終え、この英文校正段階に辿り着けるでしょう。スムーズな作業進行は、英語ネイティブの英文校正者が校正を高精度で行うことにもつながります。

ELSでは、ベーシックレベルから文芸 / 学術品質レベルまで、いくつかの英文編集、英文校正レベルを用意しております。ご予算に応じて時間と人員がつぎこまれます。和文原稿の質が高いほど、そして十分な時間をかければかけるほど、優れた英語論文をお届けできます。

『 英文執筆、英文編集、英文校正 』 で述べたように、英文校正を行って文中の間違いを無くすことは難しくありません。有名な雑誌『ナショナル ・ ジオグラフィック』は、誤記の無い出版物を出すことに大変気を遣っています。各記事が執筆され、英文編集が終わると、4人の英文校正者がそれぞれ4回ずつ英文校正を行うそうです。つまり1本の記事が16回も英文校正を受けるのです。それでもなお、『ナショナル ・ ジオグラフィック』編集部が誤記を見逃す可能性は否めませんが、これまでの長い出版歴において、誤記のあった回数が多かったとは思えません。私たちは、同誌のその真摯な態度を賞賛せずにはいられません。

『 英語教育の未来 』 の完成

講演
By Steve
Jurvetson (CC)
これで、『 英語教育の未来』の翻訳は完了です。あなたの論文は、日本語から英語に翻訳され、英文編集、英文校正を経て、出版されました。 英語教育の未来に関するあなたのメッセージを、無事、世界に伝えることができたのです。あなたの提案した内容の一部は、遥か彼方のロンドンやニューヨーク、シドニーで検討され、『 英語教育の未来』は修士論文として受理されました。あなたは文学修士号を取得したのです!

さて、あなたは次の論文にせっせと取り組んでいます。ELSの手助けを必要とされるならば、いつでも私どもにお申しつけください。いつでもお待ちしております。

追記 : 本エッセイを日英両言語で読まれた方は、文化的な理由や改訂による差異にお気づきになるかもしれません。私たちは単なる言葉の置き換えではなく、内容を的確に伝えるために日英の両言語でエッセイを作成いたしました。英文エッセイを日本語に翻訳した後も、日英どちらのエッセイについても修正を行い、メッセージをきちんと伝えているか各エッセイごとに検証しています。よい翻訳とは言葉の置き換えではなく、メッセージを伝えることだからです。


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